1巻「経営学の基本」、2巻「現代経営の課題」と順に読み進めてきた。この第3巻目はアカウンティング&ファイナンスということで、数式なども頻繁に使用されており、読み物として読み進めていくのは少ししんどい内容だった。また、アカウンティングとファイナンスが一冊にまとまっていることもあり、非常にボリュームが多いと感じた。まずは、一通り読んで見ようと言う思いが強かったので、細かな数式などはあまり深く考えずにとりあえず最後まで読んだ。まずは、どのようなテーマについて触れられていたを概観することがで来たのではないかと思う。
 本書で取り上げられているテーマは、経営財務、管理会計、財務会計、キャッシュ・フロー、リスクとリターン分析、資本コスト、投資、企業価値、配当、年金。管理会計や財務会計を活用した経営意志決定については、必要性と有効性についてある程度把握することができた。企業価値に関しては、将来のキャッシュ・フローが等しい企業のマーケット価格は、裁定取引の機会が発生し等しくなる(誤解を恐れずに言えば、将来性が同じ会社は投資家の株式の売買によって同一の株価になるということ)ことや、配当・投資・自社株買いを行ったいずれの場合でも株主価値は変わらないということが数式を使って簡潔に説明されていたことが印象に残った。企業年金については、実際に問題が多いことはニュースなどで良く耳にするが、この本の記述でその知識を少しは整理できたのでは無いかと感じた。