コンサルティング業界というと、戦略系や会計・IT系のコンサルティングファームを思い浮かべるが、この本で取り上げられているコンサルティング業界では、SIerなども含まれているので、対象とする範囲が広いように感じた。とはいうものの、やはりメインは、戦略系や会計・IT系のコンサルティングファーム。例に漏れず、コンサルティング業界は実力主義だ、というような説明がなされている。
 読んでいて特に面白いと感じた部分が、コンサルタントの採用面接で突然、「都内にあるガソリンスタンドはいくつ?」というような質問をしてくるという点。この質問は、コンサルタントを志望する人が、どのようにその課題に対して考えるかを問う為に行っているということだが、人の考え方をこのような質問を通じて判断するというのは非常に関心が持てる。
 この本を読んでいて気になったのが、記述されている内容がコンサルティング業界全般に言えることなのかどうかという疑問を感じたこと。この本で描かれているコンサルティングファーム像が、先日本を読んだアクセンチュアに非常に似ている。と思ったら、著者はアクセンチュアの出身ということだ。コンサルティング業界像を知るには、まだまだ他の本も読んでみる必要があるのだろうな、と感じた。