IT業界にいると、ERP(Enterprise Resource Planning)やSAPの名前はよく耳にするが、私自身実際にさわったこともなかったし、勉強する機会もなかった。ERPを全く知らないことに、それとなく危機感のようなものも感じてこの本を手にしてみた。読んでみての全体の感想は、ノウハウが詰まっている本だが「ERPとは何か」という基本的な事もきちんと書かれているな、という印象を受けた。また、ERPの本と言うとSAPの本という感じの本が多い中で、比較的一般的な事が書かれている印象を受けた。
 この本に書かれているERP導入のノウハウだが、パッケージを導入する場合の決まり文句の「可能な限り追加開発は避ける」ということに関する注意点が多い。ERPに限らず、実際にパッケージを導入する場合には、わかっているいるのだが、追加開発が膨れあがってしまうという問題に直面する事は多いと思う。それに対する、鮮やかな回答が書かれている訳では無いが、このような本に目を通して、この問題点を意識する事は重要なのだろうなと感じた。