「ヒッチコックのお気に入り」という副題がついたミステリ短編集。ヒッチコックの時代のミステリということもありどこか古くさいという印象も受けたが、しゃれたオチの楽しめる短編集だった。
また、巻末の解説にもあるが物語の為に必要なことのみを書いて有るという感じで、テンポよく作品を読み進めることができた(もちろん、短編集だからということもあるが)。
 予想外というよりは、巧いなぁと思わせるられるオチが多く、一つの作品を読み終わるたびに「なるほどね」という感想を抱いた。オチがわかってしまうとこれから読む楽しみを奪ってしまうので話の内容は書かないが、私はこの本の様々な短編の中で「信用第一」という作品のオチが大変気に入っている。
 また今後、この短編集以外のヒッチコック作品が同じ文庫から発売される予定だということなので、また機会を見つけて読んでみようと思う。