近年どこの会社でも成果主義を導入しているがどこの会社も問題を抱えながら導入していると思われる。とりわけNECは富士通と同じように成果主義を導入しているので、未来のNECが見えるのではないかと思って手にとって読んでみた。実際に読んでみて感じたのは、NECも同じような状況だなぁという感想だ。特に感じた点は、「降格の存在しない成果主義」「年功で出世した管理職による評価」の2点だろうか。
 肝心の本の内容についてだが、いわゆる内情の暴露が行われた後、最後に成果主義はどのように導入すべきかという著者の見解が示されている。最後の著者の見解は、これだけ内情を暴露した後で示すにはちょっと寂しい内容だと思った。リクルートがどう、日興コーディアル証券がどうとかではなく、著者の富士通での経験から科学的に導き出して欲しかったと思う。この本の内容がどこまで真実でどこまで真に受けてよいものかと考えてしまうが、富士通における成果主義の導入に問題があったことは事実なのであろう。