この本を読み始めてみて最初の方は小説の作り方についての話で、久しぶりに小説を書いてみたいなぁと感じた。ところが読み進めていくうちだんだん、小説の作り方というよりも批評、キャラクター小説のあり方についての著者の意見になってきた。それはそれで面白かったけれど、「キャラクター小説の作り方」というタイトルをみて購入した人は、ちょっと期待外れと感じるのではないだろうかと思われた。
 この本が、キャラクター小説の作り方の本として優れているかどうかは別として、本の内容自体は様々なキャラクター小説、漫画、文芸作品について触れられていて興味を持って読むことができた。サブカルチャーという文化を眺めて見るという格好で、この本を読んでみるのも面白いのではないかと感じた。
 ところでこの本で戦争、テロについて触れられているが、これを読んだ今日が偶然9月11日だった。別にだからどうということはないが、今日がそういう日であることはほとんど忘れていた。