ミステリーを読んでみようと思って本屋に行き、宝島社の「このミス」大賞の作品であるこの本を手にしたのだが、ミステリーっぽさの少ない小説だったと感じた(解説にもミステリーっぽくないということは書いてあったが、)。解説にはミステリーのトリックがいまいちではないかというようなことも書かれていたが、ミステリーとして期待して読むのでなければ非常に楽しめる作品だと思われる。ピアノを弾く女の子と共に過ごしていく中で、じわじわと主人公の過去を描写していく話の流れとが綺麗にまとまっていて、非常に読みやすい作品だと感じた。