今度の対外読書会の為に読んだ。安部公房の作品は読んだことがないのでどんな作品か全く知らなかった。実際読んでみると、砂の中に閉じこめられてそこからの脱出を試みるが、成功しないという繰り返しで、最終的に成功して村から脱出することを期待させられるはずだが、それは冒頭の失踪が決定しているという部分ですでに否定されている。だからこそ次になにが起こるかという事が興味深かった。最終的に砂の中の環境に適応してしまうのが、落ちといえば落ちだが、それ以上に「罰がなければ逃げるたのしみもない」という言葉か。
 しかしながら読み進めている途中では、ダニエル=デフォーのロビンソン・クルーソーが思い浮かんでいたのはなぜだろうか。