怪奇アクションとはいうが、菊池秀行であることからも想像できるように、エロティックな作品だった。実際菊池秀行の作品はこれが初めてだが、よく耳にしていたのでそんな感じはしなかった。
 エロティックで引きそうな感じもしなくもなかったが、結構面白かった。滝と麻紀絵が、最終的には人間と「あちらの世界」を結んで新しい生命を生むという最終局面は、容易に予想できそうなものではあったが、なんだかほっとした感じがした。ただ単にエロティックなことに、意味を見いだすための苦肉の策と見えなくもないんだけど。