この話を読んでいる途中までは、いったい何処が人形の家なのかなと言う感じがしたけれど、最後まで読んで何となく分かった。但し、あくまでも何となくしか分からなかった。解説の中で、この話のテーマが婦人解放のように書かれていて、実際そのように感じたけれど、その問題と直結している第三幕を読んでいる時は、ヘルメルに感情移入してしまって、無知であった故にいきなりと感じて不条理に思っているだろうなと同情的に見ていた。ノラの言っていることも確かに納得できなくは無いが、ヘルメルにとっては納得し難いだろうと思った。
 ところで、イプセンは「ペール・ギュント」の作者だったことを知った。イプセンと聴くとこの作品ぐらいしか思い浮かばなかったが、ペール・ギュントなども探して読んでみよう。