上巻では、鷹取近辺の地理だけしか出てこなかったが、下巻に入って北区の地名なんかも出てきて面白かった。神有電鉄が出てきた時は、さすがに親近感がわいた。話の流れがだんだんと戦争の話になってきて、ありがちな小説になっていった様な感じがあった。初めの方の軽快なテンポで進んでいく話ではなくなってきたが、戦争について真剣に考える少年の姿を描き続けているのは、なかなか深刻な感じで引きつけられた。しかしそのような真剣な態度の少年が、最後には結局夢多き人で進んで行くだけでは物足りないような感じがした。でもこの結末だから、この本のタイトルは、青年ではなく、少年なんだなって感じがした。