結局この巻になっても、蛍に家族が異世界へ去ったことを言えなかった円。この話のヒロインは蛍だって事を忘れそうになってしまうほど、円は、小雪やコスギたちに振り回されている。そんなことは振り切って、蛍の元へ行けばいいのに。と、思うけれどそれができない人間である。そんな所は、僕にもあるけれど、だからいい奴でもあり愚かでもある。でも、結局は振り回されていることを言い訳にして、蛍に言わなければならない事を言っていない。という感じでずるずると進んでいるのが、円の心の中なのではないだろうか。