初めこの話を読んでいる時は、恋愛叙事詩だと思っていなかった。しかし読み進めていく内に、親子の対話の中に、嫁をもらう事についてなどが表れてきて、だんだん恋愛の話につながってきた。この話は、ヘルマンを中心に描かれていて、ドロテーアがあまり出てこない。最後の土壇場でドロテーアの気持ちが出てきて、ハッピーエンドになる。ヘルマンが、ドロテーアに対して持っている気持ちは、井戸のそばで話しかけるところまでは曖昧だったのが、そこから急激にその気持ちの表現でいっぱいになる。その辺の所が急激すぎる様な気もするが、誰しもが持つような気持ちなので読みにくいと言うことはないだろう。しかし、ドロテーアが告白するまで気持ちを言えなかったヘルマンは愚か者だ。と、自分のことを棚に上げて思ってみたりもした。