週末を利用した気軽な海外旅行をテーマにしたエッセイ。台湾、ソウル、中国、香港、ハノイ、バンコク、カンボジアなど週末に行けそうなアジアだけでなく、サンフランシスコまで取り上げられている。
 週末を使った海外旅行をするためには、航空券の買い方、宿の抑え方、スケジュールの組み方などのテクニック以外に、職場で旅行好きだと認知されることが重要だという点などは目からうろこで面白い視点だと思った。旅先での人との接し方や、短い旅行の中に無理に予定を詰め込まずに旅を楽しむという著者の好みや人となりが垣間見れるような本で興味深く読み進めることができた。旅先でのエピソードは、エピソード自体が面白いというよりも「この著者らしいな」という印象の方が強い感じがした。
 この本全体の構成としては、旅先ごとに出発から帰国までのエッセイと旅のプラン・予算が順に並べられている形。エッセイの文章自体は割りと淡白な印象で、正直なところ文章自体の面白さは無い。また、旅のプランや予算についても、(本書でも触れられているが)シーズン等によって料金の変動が大きい旅行であるが故にあまり実用性は無いと思う。この本の読みどころは、やはり著者なりの旅の仕方や、著者らしいエピソードに触れられる点なのではないかと感じた。