みんなが批判している「子ども手当」。


ただ、なぜ「子ども手当」がダメダメなのかという点については、
結構意見が分かれているかというか、
もやもやとしている印象がある。


そもそも「子ども手当」は民主党の選挙対策でしかないのだから、
真面目に批判するのがバカバカしいという視点もあるが、
あまりにもヒドイと思うので、意見を書こうと思う。


結論から言うと、
子ども手当の問題点は「目的が無い」ということである。


第一条
「この法律は、次代の社会を担う子どもの健やかな育ちを支援するために、
平成二十二年度における子ども手当の支給について
必要な事項を定めるものとする。」


子ども手当の条文を読むと、いちおう、このような目的が書いてある。
子どもの健やかな育ちを支援する、
要するに、
「子どもが健康的に育つために必要なお金を支給します」ということである。
さらに次の条文だが、


第二条
「子ども手当の支給を受けた者は、前条の支給の趣旨にかんがみ、
これをその趣旨に従って用いなければならない。」


まとめると、
『子ども手当は、子どもの健康維持のために支給するので、
子どもの健康維持のために使いなさい』
これが、子ども手当である。


子ども手当が、
そのような主旨のものであるということを誰が理解しているのだろうか?


子ども手当の経済効果には疑問があるという批判があったり。
子ども手当が、少子化対策に有効ではないので問題ありだという人もいる。
子どもを育てることを考えると月5~10万円くらい必要という親もいる。
(病気など特別な理由が無い限り、
健康維持のためだけにそんな金額が必要になるはずはない)


所得制限を設けないことに対する批判は、ある程度的を射ているが、
いろいろな批判は、法律の目的から考えると疑問を感じる批判が多い。


なぜこのような的外れでかみ合わない議論になるのか?
そして、なし崩し的に子ども手当の支給が開始されようとしているのか?


それはこの法律に、きちんとした目的がないことにある。
法律の条文に目的は書いてあるが、
誰もそのような目的の法律だと思っていないし、
その目的で国が何かをしなければならないのであれば、
もっとまともな手段がある。


そして、仮に誰かが、
子どもの健康維持のためのより良い代替え案を提案したとしても、
ほとんどの人にとっては、
「何を言っているの?、それのどこが子ども手当の代替案なの?」
という感じになってしまうだろう。


目的がなく、何も考えずにただ突進するのみの民主党。
そんな集団に対して、
ロジカルにものを言っても通じない。
このような人たちが与党となって政権を握っている現実がある。


これからの政治に対しては、
意見を主張する、議論するのではなく、
もっと力ずくの方法をとる必要があるのかもしれない。


子ども手当条文の引用元:
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/osirase/100402-1.html