最近、僕が気に入って見ているテレビ番組の一つに、
東京MXテレビで日曜深夜にやっている、
「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」という番組がある。


松嶋×町山 未公開映画を観るTV
 http://www.sonymusic.co.jp/etv/matsumachi/


この番組は、日本では未公開のアメリカのドキュメンタリー映画を紹介する番組なのだが、
毎週、マイケル・ムーア監督の「華氏911」みたいな
ドキュメンタリー映画を紹介している番組と思ってもらえばよい。


最近取り上げられていた「ウォルマート」などでは、
「ウォルマート」という会社が、
進出によって地域の商店街を潰し、
移民を安い給料で雇い、
途上国で過酷な労働を強いて商品を作り、
敷地内で起きた犯罪を放置し、
莫大な利益に対し寄付などの社会貢献が異常に少ない、
ということをドキュメンタリーで訴えている。


このような映画は日本ではあまり無いような気がした。
日本は、このようなジャーナリズムを、
テレビ局などのメディアが担っているように思う。


僕は、日本のテレビ局が作成しているドキュメンタリーと、
この番組で扱われているアメリカのドキュメンタリーには質的な違いを感じる。


日本のテレビのドキュメンタリーは、冷静で科学的なのだが、
アメリカのドキュメンタリー映画は、とにかく感情に訴えているような気がする。


映画やテレビのような映像メディアというのは、
雑誌や新聞に比べて、感情に訴えることに長けたメディアだと思う。
# 文字で人が泣き叫んでいたと書いてあるよりも、
# 泣き叫んでいる人の映像を見せられた方が心は揺さぶられる。


アメリカのドキュメンタリー映画のような手法がよいとは思わないが、
感情に訴えることに長けた映像メディアの特性をうまく使っていると思った。


感情に訴える手法で、
映画を見た人に作り手の論理を正しく伝えることが出来るかは「かなり」疑わしいが、
感情に訴えられた方が人は動く。


「なにかおかしいぞ」と思う人を一人でも多く作ることが、
世の中を動かしていく第一歩なら、
「感情に訴えるドキュメンタリー」もありなのかな。
最近は、そんなふうにも思っている。