ファンタジーとミステリー
ミステリー小説を書こうと思って、プロットを考えてみる。
ミステリーというジャンルの小説を
書いたことがない僕は、
なかなかうまく物語の辻褄あわせが出来ないでいる。
「いっそのことファンタジーに逃げてしまおうか?」
そんなことを考える。
こんなことを考えながらふと思ったことがある。
「ファンタジーなら、辻褄があっていなくてよいのか?」
そんなことは無い。
ファンタジーでも辻褄があっている必要はあるはずだ。
じゃあ、どうしてミステリーを書こうとすると、
こんなにも悩ましいのだろう。
その理由は、ファンタジーの特徴にあるのではないか。
ファンタジーは、
作者によってユニークな幻想世界を作ることが出来る。
作者によって作られ、読者との共通の了解をえられた
その世界には、自由なルールを作ることができる。
昼が暗闇でもよいし、火が熱くなくてもよい、
街が空を飛んでもよいし、花がおしゃべりをしてもいい。
そんな幻想世界の上に辻褄のあった物語を作ることと、
現実の世界の常識の上に辻褄のあった物語を作ることは、
根本的に、質の異なる作業だ。
ファンタジーであれば、
世界の前提と物語の辻褄を同時に作る必要がある。
ミステリーであれば、
現実世界の常識と物語の辻褄のすり合わせが必要になる。
好き勝手に物語を書いてきた僕には、
ファンタジーが性に合っているのかもしれない。
それをわかりつつも、
ミステリーにチャレンジしてみたい僕が居る。