ケータイ小説:あなたの隣の小説家
いまだに、ケータイ小説ブームが続いている。
ケータイ小説を読んだことがある人は、
ケータイ小説と、他の小説にどのような違いを感じているだろうか?
読んでみれば、すぐに「違う」ということはわかる。
一般に、ケータイ小説は文章力に優れたものはあまりない。
また、プロットの巧みさというものもあまりない。
そして、俗っぽいテーマが多い。
誤解を恐れずに言えば、クオリティは低いと言えてしまう。
ケータイ小説は、
プロの小説家が書く小説とは、異なるものだ。
あくまでも、素人が素人の域を超えない範囲で書いた小説。
ケータイ小説の作家は、あなたの隣に居るような普通の人。
この感覚は、
80年代に流行した「おニャン子クラブ」に近いものがあるように思う。
その昔、アイドルというものは、
一般人には、手が届かない世界に住んでいる人たちだった。
それが「おニャン子クラブ」以降は、
あなたのクラスメートにもアイドルになる人が居るという感覚。
アイドルも普通の人だという感覚ができていった。
ケータイ小説の作家は、「先生」ではなく、あなたの隣に居るような人。
ケータイ小説のブームを見て、そのような感覚を覚えた。
このブームは、これからどこに行くのだろうか?
「おニャン子クラブ」以降のアイドルが氷河期を迎えたように、
小説自体が氷河期を迎えてしまうことがないようにだけは、願いたい。