ネット広告の概観が紹介されている書籍。ネット広告が成長していると言う事実、ネット広告の特徴・種類・技術的な仕組み、ビジネスの構造(業界構造)、ネット広告の出稿のイメージ等が紹介されている。書籍全体の内容としてはよくまとまっているな、と言う感想。特に、ネット広告を出稿しようと考えているマーケティングの担当者にとっては役立つ本だと思う。
 ネット広告の特徴としてよく上げられるのは、広告を見た人が、クリックしそのままその商品を購入する事ができる点及びその効果を測定できる点。また、ユーザ属性に応じた広告を選択して表示する事ができる点(ターゲッティング広告)。といった点が、この本ではわかりやすく紹介されていた。僕自身がWeb系のエンジニアであることもあり、このようなネット広告の技術面や種類などは既知の知識ではあった。そのような理由もあり、この本の中で得られた新たな知識の中心はネット広告の業界構造だった。広告主・広告代理店・メディアレップ・媒体社が、ネット広告にどのように関わっているかということがわかりやすく説明されていた。それと同時に、グーグル(AdSense)やサイバーエージェント(アメーバブログ)などは広告主と媒体社が直接取引する形(広告代理店・メディアレップの中抜き)でビジネスと展開していると言う例も紹介されている。ネット業界の広告収益モデルがどのように形成されているかを考える上で、一つ有効な知識が得られたと考えている。