相対的に幸せになることを、人は好んでいるのだろうか?


「あなただけに、特別サービス!」
のような売り文句で、商品を売るというビジネスは非常に多い。


そこまでダイレクトではないにしても、
「生産されている数の少ない貴重な品です」
「数量限りの、限定商品です」
「会員様限定の、・・・」「お得意様限定の、・・・」
「今だけ、・・・」


のようなものを取り上げていくときりがない。


このような売り文句というのは、
顧客の「人よりも得をしたい」という心理に訴えかけている
売り文句と考えて良いと思う。


自分が誰かよりも想定的に幸せになりたい、得をしたい、
と言う人の心理を利用した商売の仕方。


ただ、僕は、
人よりも相対的に幸せになりたいと言う心理に寂しさを覚える。


人よりも相対的に幸せになりたい。
と言う事実は、自分が幸せにならなくても、他人が不幸になれば叶う。
他の人が皆、不幸になり、自分だけが今のままであれば、
その人は、相対的に幸せであると言うこと。


商品をたくさん生産するよりも、限定品にした方が価値が上がる(ことが多い)。


限定品でもそうでなくとも、その商品から得られる価値は、変わらないはず。
けれど、他の人が得られず、自分だけが得られていると言う優越感の分だけ、
価値は高くなるのだろう。


それって、寂しい人の性(サガ)だと思う。


みんなが幸せになることを、心から喜べず。
人よりも幸せになることを、喜ぶ。


世の中の人が皆で、幸せになればよいのに。


僕は、そう思う。
だけどその裏で、きっと僕も、
人よりも相対的に幸せになりたいという性(サガ)を持っているに違いない。