経営という視点からグーグルという会社を見ている本。この本にも書かれているが、グーグル社がどのような経営なのかという事はいまいちイメージがわかない。僕自身も、グーグルの経営と言えば、キーワード広告で利益を上げているとか、上場時の時価総額がすごかったとか、YouTubeも傘下におさめちゃったぐらいのイメージしかない。
 この本ではグーグル社の沿革とグーグル社員の採用や働き方が中心に紹介されている。また、経営のフレームワークを使ってグーグル社の経営を分析したりもしているが、その部分は少し弱いというか、納得感があるほどの深掘りされていない感じがした。僕自身の読み方としては、グーグル社の沿革や社員の力をどのように発揮させて居るのかという部分を知ると言うスタンスをとった。
 グーグル社の沿革は、1998年に、サーゲイ・ブリンとラリー・ペイジがインターネット検索エンジンの会社として創業し急成長、2001年にはノベル社でCEOをつとめていた経験を持つエリック・シュミットをCEOに迎え、その頃から日本を含めたグローバル戦略を展開する事になる。そしてその後も、いろいろなサービスを開発することになるのだがその原動力は、社員の力という事になるかと思う。社員の力をどのように発揮させるかという点については、「最高の人材」に「最高の創造的環境」を与えると言うのがその考え方となる。「最高の人材」については、2000年に米国がクリントン政権からブッシュ政権に変わり、シリコンバレーのITベンチャーが軒並み停滞し始めた頃が、グーグルの成長期にぴったりと当てはまったため停滞している他の企業から優秀な人材をハンティングできたという事があるようだ。それ以外にも1人の採用面接で、面接をする社員が費やす合計時間は87時間にも上るというほど採用の選別はしっかりとしているらしい。また、「最高の創造的環境」には、「飲食」「身体的ケア」「遊具」「イベント」と言う仕掛けを用意している。具体的には、社員食堂には一流のシェフを配置したり、会社でマッサージを受けることができたりと言ったようなことになる。
 このようなことから、グーグルという会社がどのような会社かという片鱗が見えたような気がする。知ることができた情報は多かったが、読み終わった感想としてはもっと詳しく知りたいなと言うもの。