フリーのRDBMSの代表格MySQLの一歩進んだ解説書。MySQLの書籍というと、とりあえず使ってみましょうという感じの本が多いが、この本はパフォーマンスチューニングにも踏み込んで解説が行われている。
 僕は、今までデータベースのチューニングを扱った書籍は、Oracle向けのものしか読んだことがなかった。今回この本を読んでみて、普遍的に通用する部分とソフトウェアに依存する部分がある程度整理できたのではないかと思う。MySQLは特にWebアプリケーションのバックエンドとして利用されることが多いということもあり、更新系よりも検索系の方がアクセスが多い場合が一般的だ。検索系のアクセス負荷に耐えられるようにするためには、一方向のレプリケーションでマシン数を増やしてしまえばよいという発想は自然なアプローチだと思う。Oracleの書籍で一方向のレプリケーションにフォーカスが当てられているものは読んだことがないので、これは一つの特徴ではないかと思う。逆にインデックスやコネクションプーリングなどは、Oracleと大きな違いはなく、やはり普遍的なチューニング手法なのだと思った。